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弁護士に相談する前にやっておくべきこと・やってはいけないこと

弁護士に相談する前にやっておくべきこと・やってはいけないこと(医療事故・医療ミスの法律相談の前に)

やっておくべきこと

大切なご家族を亡くされ、まだご葬儀などが終わる前にこれを読んでいる人には、心苦しいのですが、是非病理解剖をしておくことを強くお勧めします。
医療裁判では、死因が何か争われることが珍しくありません。
実は、たとえ医者の医療ミスが証明されても、”他の原因で死亡した可能性”が一定程度あると、患者さんが亡くなられたのは、医者の過失のせいではない、と判断されてしまい、医者の賠償責任が否定されてしまうのです。

医療ミスを起こしたかもしれないと考えている医者ほど、ご遺族の方に対して、①解剖はご遺体を傷つけます、②解剖すれば死亡原因が少しはわかるかも知れないが、必ず解明できるとは限らない、などと解剖しない方がよいかのように印象づける説明をすることが多いです。
このような説明をされると、どうしてもご遺族としては、解剖しないほうを選んでしまいます。
でも、医者がこのような説明をするときほどあやしいので、是非解剖すべきなのです。
医療ミスを起こしたかもしれない病院で病理解剖をしても大丈夫なのか、という質問をよく受けるのですが、絶対とは言い切れませんが、基本的に心配はいらないと考えています。

病理解剖を行うのは、同じ病院内の医師とはいえ、別の解剖医の専門医が行います。
剖検記録に虚偽の記載を行ったら、それこそその医者は大変な責任を負うことになります。
他の医者の医療ミスをかばってまで自らの人生を台無しにしたい医者などおりませんから、基本的に虚偽の記載をしたり、事実を隠蔽することはないと考えられます。
本当に真相究明できるのか、という質問もよく受けますが、知り合いの解剖学教室のお医者さんに実際に聞いてみたところ、絶対に分かるとは断言できないが、9割方は解明できるというお話でした。

したがいまして、真相究明できない場合のほうが極めて例外的である、ということを知っておく必要があります。

次は、弁護士に相談に行く前に、私たちがここで書いていることは、ひととおり目を通しておいてください。
つまり、医療に強い弁護士の探し方、いつの時点で弁護士に相談するべきか、医療紛争を解決するための方法にどのようなものがあるのか、それぞれの解決方法のメリットとデメリットは何か、医療紛争の解決までの流れはどのようなもので、どのくらいの期間がかかるのか…、などといった事柄について、予め予備知識があるのとないのとでは、法律相談の中身の充実さがかなりちがってきます。

これらの予備知識が全くない状態で、弁護士から色々説明されても、情報量が多すぎて頭の中で整理できず、弁護士と相談者との間の信頼関係にも影響してきます。
「そんなこととは思わなかった」とか、「そんな話しは聴いていない」などということになり、せっかくの信頼関係にヒビがはいってはもったいない話しです。

やってはいけないこと

どうしても、ご自身やご家族が医療ミス・医療事故に巻き込まれると、担当医師や病院に対して、攻撃的になってしまいがちです。

特に大切なご家族が死亡したり、重度の後遺障害を残すなどという重大な結果が生じると、そのような医療ミス・医療事故を起こした医師や病院に対して、怒りがこみ上げてくるのは当然だと思います。

しかも、医療ミス・医療事故を起こした疑いがもたれているのに、その後の医師や病院の対応があまりにも不誠実だと、怒りと悲しみはさらに倍増します。

しかし、そこはグッとこらえて、できるだけこみ上げてくる怒りを抑えて、なるべく冷静に対処することを強くお勧めします。なぜなら、あまり感情的な言動をとってしまうと、かえって医療ミス・医療事故の被害者にとって、不利益となる展開も少なくないからです。
その理由はいくつかあるのですが、第1にカルテなどの診療記録を改ざんされてしまう危険性が高まります。

あまりにも交戦ムードになってしまうことによって、医師や病院が「医療紛争になるのは確実だ」と確信するようになり、却ってカルテ改ざんの動機を強めてしまいます。
第2に、医師たちが、患者さんやそのご家族とのトラブルの様子もカルテに詳細に書込み、あるいはその時の様子を録音するなどして、後々裁判などになったときに、その時の様子を証拠として提出し、あたかも患者さんやそのご家族が"モンスター・ペイシェント"であるかのような印象を裁判所に与えるという訴訟戦術を取られてしまうことにつながります。

このような展開になってしまっては本末転倒です。

第3の理由とは、こちらが訴える前に、「債務不存在の確認の訴え」を医者のほうから起こされてしまうという事態もまれではありますがあります。
そうすると、患者さんやそのご家族は、仮に裁判を起こす決心をしていなくても、その意思に反して裁判に巻き込まれ、多額の費用と膨大な時間をかけて闘うことを余儀なくされることになりかねません。

無用な紛争を招かないためにも、なるべく冷静に対処することをお勧めします。

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