【コラム】人材育成について| 医療事故 医療過誤 / 弁護士法人ALG&Associates

【コラム】人材育成について

【コラム】人材育成について

弁護士・医学博士 金﨑 浩之

人材育成って、本当に重要だけど大変です。私は、医療過誤の分野を自分の専門にしておりますが、弁護士にとって本来は専門外の領域なので、特に大変です。医療分野を強みにしていくための勉強法っていろいろ考えられると思いますが、個人的にはやはり解剖生理学の基礎的なものから入るのがよいのではと考えております。病気について考える前に、体の正常な機能について知る必要があると思うからです。そこで、うちの弁護士事務所の医療部門では、この解剖生理学の試験に合格することが所属弁護士に課せられています。ちなみに、これは今年の試験問題です。択一式で論文試験はありません(笑)。司法試験受験生時代の影響で、いわゆる個数問題なんかも入っています。

弁護士法人ALG&Associates・医療事業部 解剖生理学試験(2018年度)

第1問

体液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • 成人の体液量は、体重の60%と言われており、うち細胞内液が40%で、細胞外液は20%とされる。細胞外液のうち、15%が間質液、5%が血漿である。
  • 血液と組織液の水分移動は、主に毛細血管で起こり、血液では組織液よりも蛋白質が多いので、血液の浸透圧は組織液より高く、これが水分を血管内に引き込む力となる。
  • 細胞内液の主要電解質はナトリウムであり、細胞外液の主要電解質はカリウムである。
  • 通常、体液のpHは、約7.4に保たれており、弱アルカリ性である。
  • 体液のpHが酸性に傾いたものをアシドーシス、アルカリ性に傾いたものをアルカローシスという。

第2問

心臓の機能に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • 心臓が1回拍動するのにかかる時間は、収縮期に比べて拡張期が少し長い。
  • 心臓を栄養する冠動脈は、収縮期に血流が増加するため、収縮期が短すぎると十分な血流を保てなくなる。
  • 運動などで心拍数が増加すると、拡張期が短縮し、120回/分を超えると、収縮期より拡張期が短くなる。
  • 脈拍が100回/分を超えると頻脈といい、60回/分を下回ると除脈という。
  • 心電図のP波は、心房の興奮を表す。

第3問

血圧に関する次の記述のうち、誤っているものは何個あるか。

  • 臨床的に使われている「血圧」は、動脈の血圧を指している。
  • 健康な成人の収縮期血圧の基準値は120mmHgである。
  • 健康な成人の拡張期血圧の基準値は80mmHgである。
  • 循環血液量が減少すると、血圧は上昇する。
  • 0個
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個

第4問

体液の酸塩基平衡に関する次の記述のうち、正しいものは何個あるか。

  • PaCO2の値が基準値より上昇すると、呼吸性アルカローシスが起こる。
  • PaCO2の値が基準値より低下すると、代謝性アシドーシスが起こる。
  • HCO3-の値が基準値より上昇すると呼吸性アルカローシスが起こる。
  • HCO3-の値が基準値より低下すると、代謝性アシドーシスが起こる。
  • 呼吸性アルカローシスが起こった場合において、代謝機能が正常であれば、呼吸性アルカローシスによって生じたpHの上昇(アルカリ化)を正常値に近づけるための代償機構が働き、HCO3-は上昇する。
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個
  • 5個

第5問

脱水に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • 脱水で循環血液量は減少するため、腎臓からのレニン分泌量は増加する。
  • 脱水で循環血液量は減少するため、血液が濃縮され、血清蛋白量(濃度)は減少する。
  • 脱水の際には、ヘモグロビン濃度は低下する。
  • 激しい下痢、嘔吐などで脱水が生じた場合には、水分のみを補給する輸液を行い、ナトリウムは補給する必要はない。
  • 激しい下痢、嘔吐などで起こる脱水では、細胞内から細胞外への水分移動が起こり、細胞内の水欠乏が生じる。

第6問

血液の成分と機能に関する次の記述のうち、誤っているものは何個あるか。

  • 赤血球の寿命は約120日であり、老化した赤血球は肝臓で破壊される。
  • 好中球は、組織に出てマクロファージに分化する細胞で、細菌、ウイルスに感染した細胞を貪食・分解するとともに、リンパ球に抗原提示して情報を伝える抗原提示細胞としても働く。
  • 貧血が生じているということは、ヘモグロビンの構成成分である鉄が不足していることを意味している。
  • 酸素は、赤血球のヘモグロビンと結合して組織に運搬される。
  • 0個
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個

第7問

播種性血管内凝固に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • 播種性血管内凝固とは、基礎疾患に何らかの誘引が重なり、全身で血液凝固が亢進した病態であるので、出血傾向が出現することは少ない。
  • 播種性血管内凝固の基礎疾患には、感染症や悪性腫瘍、妊娠高血圧症候群などが多い。
  • 播種性血管内凝固では、全身の血管内で微小血栓が多発する。
  • 播種性血管内凝固では、血小板と血液凝固因子が大量に消費された結果、凝固障害が起こる。
  • 播種性血管内凝固では、線溶系の亢進により、フィブリンの分解産物であるD-ダイマーの増加が見られることがある。

第8問

アレルギーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • Ⅰ型アレルギーとは、抗原に対してIgE抗体が作られて起こるアレルギーで、二度目の抗原進入後にすぐに起こるため、即時性アレルギーとも呼ばれる。花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などがこれに含まれる。
  • Ⅱ型アレルギーとは、細胞や組織にIgG、IgM抗体が結合して起こるアレルギーで、細胞傷害型アレルギーとも呼ばれる。血液型不適合輸血による溶血などがこれに含まれる。
  • Ⅲ型アレルギーとは、抗原と抗体が結合してできる免疫複合体が組織に沈着して起こるアレルギーである。全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの膠原病や、糸球体腎炎、アナフィラキシーショックなどがこれに含まれる。
  • Ⅳ型アレルギーとは、キラーT細胞などの細胞性免疫の過剰反応で起こるアレルギーで、抗原進入の数日後に起こるため、遅延型アレルギーとも呼ばれる。移植の拒絶反応などがこれに含まれる。
  • Ⅴ型アレルギーには、パセドウ病や重症筋無力症などがこのタイプに属する。Ⅱ型アレルギーに似ているが、細胞自体を傷害するわけではない。

第9問

循環器系に関する次の記述の( )内に入る語句の組み合わせとして正しいものはどれか。「肺でガス交換され酸素化された動脈血は、(①)から(②)に送られ、(③)から拍出された血液は大動脈を通って全身に流れる。全身に送られて組織に酸素を供給した血液は、静脈血として上・下大静脈を通って(④)に戻ってくる。そして、(⑤)から拍出された静脈血は、(⑥)から肺に送られ、再びガス交換が行われる。」

  • ①肺動脈、②左心房、③左心室、④右心房、⑤右心室、⑥肺静脈
  • ①肺静脈、②右心房、③右心室、④左心房、⑤左心室、⑥肺動脈 
  • ①肺動脈、②右心房、③右心室、④左心房、⑤左心室、⑥肺静脈
  • ①肺静脈、②左心房、③左心室、④右心房、⑤右心室、⑥肺動脈
  • ①肺動脈、②右心室、③右心房、④左心室、⑤左心房、⑥肺静脈

第10問

心拍、脈拍に関する次の記述のうち、正しいものはどれか

  • 運動などで心拍数が増加すると収縮期が短縮し、120回/分を越えると拡張期より収縮期が短くなる。
  • 冠動脈は、収縮期に血流が増加するため、収縮期が短すぎると十分な血流を確保できなくなる。 
  • 1分当たりの心拍数が80回を越えるものを頻脈という。
  • 1分当たりの心拍数が60回を下回るものを徐脈という。
  • 心機能が亢進すると、徐脈になる。

第11問

心電図の波形のうち、心室の再分極を表わす波形はどれか。

  • P波
  • Q波
  • QRS波
  • ST波
  • T波

第12問

心不全に関する次の記述のうち、右心不全に関するものは次のうちどれか。

  • 肺うっ血を生じる。
  • 病態が進行すると、肺水腫を引き起こすことがある。
  • 頸静脈の怒張や下肢の浮腫が現れる。
  • 症状は仰臥位で強まり、坐位で軽減される。
  • 腎血流の低下により、乏尿を生じることがある。

第13問

脳の各区分のうち、呼吸・循環・嚥下機能などの中枢があるのは、次のうちどれか。

  • 大脳
  • 中脳
  • 小脳
  • 延髄

第14問

脊髄に関する次の記述のうち、正しいものは何個あるか。

  • 小脳に連なる。
  • 脊柱管内にある。
  • 脊髄は末梢神経系に属する。
  • 髄膜と呼ばれる3層の膜(硬膜、くも膜、軟幕)で包まれている。
  • 0個
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個

第15問

内分泌系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • グルカゴンは、主に肝細胞に作用して血糖を低下させる働きがあり、血糖値が上昇すると膵臓からの分泌が亢進する。
  • アルドステロンは、主として腎臓の集合管に作用してナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進する。
  • 甲状腺ホルモンが増加すると、血清コレステロールが低下し、甲状腺ホルモンが減少すると、血清コレステロールは増加する。
  • 循環血液量が減少すると、レニンの分泌が促進される。
  • 身体にストレスが加わると、副腎髄質からアドレナリンが分泌され、視床下部に働くことで交感神経を刺激する。

第16問

気管支の解剖学的構造に関する次の記述のうち、正しいものは何個あるか。

  • 気管から分岐する気管支を主気管支という。
  • 左主気管支に比べ、右主気管支は短く、太い。
  • 左主気管支に比べ、右主気管支に気道異物が混入することが多い。
  • 気管支は、肺門に入ると、葉気管支に分かれる。
  • 気管支は、肺小葉に入ると、終末細気管支となり、最後に呼吸細気管支となる。
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個
  • 5個

第17問

肺胞上皮細胞に関する次の記述のうち、正しいものは何個あるか。

  • ガス交換は、Ⅰ型上皮細胞・基底膜・毛細血管を通じて行われている。
  • Ⅱ型上皮細胞は、表面活性物質(サーファクタント)を分泌する。
  • 肺胞は、血液に浸った状態にあるため、表面張力によって広がる方向への力を受ける。そのため、肺胞が内腔を縮めるためには、表面活性物質の存在が必要となる。
  • 未熟児では、表面活性物質の分泌が不十分なため、呼吸困難となることがある。
  • 0個
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個

第18問

肺機能検査に関する次の記述のうち、正しいものは何個あるか。

  • 全肺気量とは、最大吸気時の肺内空気量をいう。
  • 肺活量とは、最大吸気から呼出可能な最大空気量をいう。
  • %肺活量とは、肺活量の肺活量予測値に対する割合をいう。
  • 1秒量とは、努力肺活量における最初の1秒間での呼出量をいう。
  • %肺活量が80%を下回る場合は、気管支喘息、肺気腫などの閉塞性喚起障害が疑われる。
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個
  • 5個

第19問

肺のガス交換に関する次の記述のうち、誤っているものは何個あるか。

  • 吸入した空気は、肺胞に達し、酸素は血液中に拡散する。
  • 肺胞における拡散能は、酸素のほうが二酸化炭素より高い。
  • 動脈血の酸素分圧(PaO2)95㎜Hgは、異常を示す値である。
  • 動脈血の酸素飽和度(SaO2)90%は、異常を示す値である。
  • 動脈血の二酸化炭素分圧(PaCO2)40㎜Hgは、異常を示す値である。
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個
  • 5個

第20問

消化器の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • 小腸は、十二指腸・空腸・回腸・盲腸に区分される。
  • 大腸は、上行結腸・横行結腸・下行結腸・直腸に区分される。
  • 食道は、頸部食道・胸部食道に区分される。
  • 食道壁の粘膜は、角化しない重層扁平上皮からなっている。
  • 胃の入り口を幽門、出口を噴門という。

第21問

肝臓に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • 肝臓は、再生力や予備能力に富んでいるが、全体の50%を越えて障害されると症状が顕著に出現する。
  • 消化管からの血液は、それぞれの静脈を経由して門脈に注ぎ、肝臓へと送られる。
  • 肝臓には、アルブミンやフィブリノーゲンを生成する働きがある。
  • 肝臓は、不要なアミノ酸やアンモニアを分解して尿素を生成する。
  • 肝障害が生じると、出血傾向がみられることが多い。

第22問

膵臓に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • 膵臓は、胃の下方に位置する。
  • 膵臓は、膵液を分泌する外分泌部とホルモンを分泌する内分泌部からなっている。
  • 内分泌部のランゲルハンス島は、糖代謝に関わるインスリンやグルカゴンを分泌する。
  • 膵液は、三大栄養素の消化に働く酵素である。
  • 膵液の分泌は、反射による神経性調節と、ホルモンによる体液性調節によってコントロールされている。

第23問

胃潰瘍に関する次の記述のうち、誤っているものは何個あるか。

  • 胃潰瘍とは、胃壁の部分的組織欠損が固有筋層にまで及んでいるものをいう。
  • 胃壁の部分的組織欠損が粘膜下層にとどまるものを、びらんという。
  • 胃潰瘍の発症には、ヘリコバクター・ピロリ菌が関与していると考えられている。
  • 胃潰瘍は、組織欠損の深さに応じて、病理組織学的にUL-ⅠからUL-Ⅲに分類されている。
  • びらんは胃潰瘍ではないから、UL-ⅠないしⅢのいずれにも該当しない。
  • 0個
  • 1個
  • 2個
  • 3個
  • 4個

第24問

黄疸に関する次の文章の(  )内に入る適切な語句はどれか。「黄疸とは、血中の(  )濃度が上昇し、皮膚や粘膜に沈着した状態をいう。(  )過剰生成・(  )代謝異常・胆道の通過障害などで生じる。間接(  )が肝臓で代謝され、グルクロン酸抱合を受けて直接(  )に変わるため、原因疾患によって増加する(  )のタイプが異なる。」

  • グルクロン
  • グルカゴン
  • ガストリン
  • ビリルビン
  • セクレチン

第25問

腎臓に関する次の文章の( B )に入る適切な語句はどれか。「腎機能は、( A )と( B )の働きに大別される。( A )は、血液を濾過して原尿を生成する部位であり、( B )は、原尿から再利用可能な成分を再吸収する部位である。( A )で生成された原尿の99%は( B )において再吸収され、実際の尿として排出されるのはわずかである。」

  • 糸球体
  • ボウマン囊
  • ネフロン
  • 尿細管
  • ネフローゼ

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